エスプレッソの酸味と苦み
以前のブログで「イタリアでのエスプレッソコーヒーの味は、北イタリアは酸味が強くて、南イタリアに行くにしたがって苦みが強くなる」と書きました。
というわけで、コーヒーの酸味と苦みについての基礎知識。
コーヒーの味の違いは「焙煎の深さ」「生豆の種類」「ブレンド割合」が大きく関係します。
焙煎は、深いほど苦みが増し、浅いほどフレッシュな酸味が強調されます。
イタリアで飲まれるエスプレッソは焙煎が深く、最近シアトルなどアメリカ西海岸で増えてきたエスプレッソはかなり焙煎が浅い為、北イタリアのエスプレッソよりも酸味が強いものが多いです。
また、コーヒー生豆の品種でも味が変わります。
コーヒー豆には、大きくアラビカ品種とロブスタ種があり、(かつてはリベリカ種などもありましたが最近はほとんど市場には出ていません)アラビカ種は、酸味成分が強くレギュラーコーヒーとして世界中で流通しています。
生育条件が難しいことから高値で取引される地域もあり、日本では「アラビカ=高級」のイメージが定着し自家焙煎の珈琲店ではほとんどアラビカ100%のコーヒーを焙煎しています。
一方ロブスタ種は、苦みの強い品種で生育条件が良い為に比較的安値で取引されています。
その為インスタントコーヒーや缶コーヒーに使用されることが多く、日本では「ロブスタ=安価」というイメージが定着しています。
ただ、ある日本の中堅ロースターに聞いたところによるとヨーロッパで使うロブスタ種と日本で入手できるロブスタ種はグレードに違いがあるそうでヨーロッパでは「ロブスタ=安価」とは一概に考えていないとのお話でした。
実際、アラビカ種にロブスタ種を絶妙にブレンドしたナポリのコーヒーに砂糖を少し混ぜて一口飲むと、深いコクと柔らかな苦みに砂糖のやさしい甘さが加わり、高級なビターチョコを食べているようなおいしさになります。
少しのフォームドミルクを入れたカフェマキアートにすれば大人向けの甘さ控えめミルクチョコレートそのものです。
飲んだ後、口の中にいつまでもコーヒーの香りが残り、とても幸せな時間が長続きします。
というわけで、一度はロブスタ種のブレンドされたエスプレッソ飲んでいただいて、その奥深い苦みを味わっていただきたいのですが、国産ブレンドはほとんどアラビカ100%な為、イタリアのコーヒー豆を使用しているお近くのお店で一度お試しください。
砂糖を少し入れるのがポイントですよ。